難聴には病気による聴力の低下と加齢による聴力の低下があります。
加齢による聴力の低下は誰にでも起こりうる現象で、病気ではありません。
聴力が低下しはじめる時期は人によって異なり、その程度も個人によって大きな差があります。
加齢による難聴の場合は、まず高音域から聞こえにくくなり、左右の聴力が同じレベルで低下していくのが特徴です。しかし、「あ、い、う、え、お」といった、比較的周波数の低い母音を聞き取る力はそれほど、低下しないので、自分ではあまり聞こえにくいという感じがしません。
その為、本人よりは周りの人が先に気づく場合が多いのです。
◆高い音(弱い音)が聞こえなくなる | ◆早口の会話が聞き取りにくい |
◆聴力の低下によって「聞き間違い」が起こる |
【聞き間違い例】 | さとう(佐藤)さん ⇒ かとう(加藤)さん |
ひろい(広い) ⇒ しろい(白い) | |
わらう(笑う) ⇒ あらう(洗う) |
- 耳は大きく分けて3つの部分から成り立っています。音は耳介から入ってきて外耳道を通り、鼓膜からツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という小さい3つの骨を伝わりながら増幅されます。 そして、内耳の蝸牛に伝わり、音の高低や強弱を分析します。その後さらに聴神経から大脳に伝わり、大脳で「音」として認識されます。
「難聴」とは聴力が低下している状態のことを指すのですが、さまざまな種類があり、難聴の原因となる部位によって、大きく3種類に分けられます。
- 外耳から中耳にかけての伝音器の障害が原因でおこる難聴です。
- 中耳炎や鼓膜の損傷などから起こる難聴が伝音性難聴です。医学的な治療が可能とされています。
- 内耳や聴神経といった感音器の障害が原因の難聴です。
- 加齢による聴力の低下や、長時間騒音にさらされていたことで起こる難聴などがこれにあたります。一般的に医学的な治療による聴力の改善は困難だとされています。
- 伝音性と感音性の両方の症状がみられる難聴です。